「自慢の愛車を毎回ていねいに洗車をし、ワックスがけまでしているのに、細かい傷がいっぱいついて、なんかくすんで見えるのはなぜ?」というようなことはありませんか。
以前の私がそうでした。パット見ではわからないのですが、近づいてよく見るとすごく細かい傷が全体にあり、水垢のようなものが表面にこびりついているのです。
ていねいに洗車をしてワックスがけまでしてこの結果ですから、どうしようもなくあきらめていました。でも傷の原因(鉄粉)と水垢の原因(水道水)が分かり、説明してあるその方法(鉄粉除去)を実行してみたら、効果てきめんでした。
これは素晴らしいと言う事で、困っているあなたにも是非紹介したいと思い、記事にしました。記事は私の作業経験をもとに、勉強したことを書いています。その他にもたくさんお役立ち情報を書いています。
この記事を読むメリットは一般の人が知らない専門知識を得られ、実用的に役に立つところにあります。最後まで読んでいただくことによって愛車の輝きが一段と増します。
洗車にこだわる訳
わたしはもともと専門が機械工学出身で、車が大好きです。ですからその車をピカピカに磨いて乗るのが、休日の楽しみにもなっています。
しかし、悲しいかな一週間の内、休日の一日しか車に乗る機会はありません。
そんな中、定期的に洗車後ワックスがけも欠かしませんでした。しかし、それでも車の輝きがなぜか年々劣化していくのです。車が古くなっていくのだから、そんなものと思っていました。
しかし、最近以前より乗ってみたかった憧れの旧車とまではいかないけれど、古い名車を手に入れたことによって、このまだ鏡面のような輝きがある状態を何とか保ちたいと思い、洗車法やワックスの掛け方などをググってみました。
今の時代便利ですね、たくさんの情報で懇切丁寧に解説していますが、そんな情報の中で今回のその問題の原因を見つけました。それを以下で解説していきます。
余談ですが私の車の自慢話を少し、テーマとはまったく無関係なことですが、洗車に熱意がある理由と言うことで・・・。この古い名車ですが以下、マイカー紹介文です。
かつて国産初の300馬力を超えた車としてセンセーショナル的に発売されたのが、ホンダ4代目レジェンドです。排気量3500㏄のV6、SOHCエンジン、そして最高出力300馬力/最大トルク36.0kgmの出力をだします。世界初の4輪に駆動力を自在に配分するSH-AWDが優れもので、この技術はホンダのスーパーカーNSXに継承されています。私が一番惹かれたのはこの部分で、雪道に物凄く威力を発揮します。そして、この年の日本カー・オブ・ザ・イヤーを獲得しています。
長く乗りたいと思い、徹底的に整備をしました。もちろん、エンジンは降ろしてオーバーホールしましたし、劣化部品は全部交換しました。整備費用だけで60万円位かかりましたけど、十分満足しています。
ただ一つ不満は燃費の悪さですが、ハイオクで市街地走行で6,3km/L、高速走行で10km/Lです。そして税金も高いです。
細かい傷は鉄粉が原因だった
車に付く鉄粉とは
車のボディは、空気中のいろんな微細な汚れが付着して汚れていくものですが、その中に鉄粉も含まれていると言う事を認識してほしいのです。
鉄粉なんて付着するの?なんて思うかもしれませんが、一般にはあまり意識されていませんが、車が往来している道路上には絶えず鉄粉が舞っています。
なぜかというと、車のブレーキローターやブレーキパッドから出るブレーキダストがその原因で、鉄粉の塊です。ですから、タイヤのホイールを見ると確認できると思いますが、真っ黒に汚れがこびりついています。
道路上でみなさんがブレーキを踏むたびに鉄粉が舞う事になります。そのまますぐに洗車する場合は鉄粉も汚れと一緒に落ちて問題はないです。しかし、これがどうなってトラブルを起こすかと言うと、しばらくこの汚れを放置すると鉄粉が酸化し、塗装面に固着してしまうのです。
そうなると普通の洗車法では除去できません。その状態で、洗車したから大丈夫と思ってワックスを付けてごしごし磨いたら傷だらけ、ということでご想像の通りです。これがトラブルの原因と言う事ははっきりわかりました。じゃどうするかですが、以下次の項で解説です。
鉄粉除去の方法
これはもう鉄粉を取り除くしか他に手はないです。さてその方法ですが、いくつかあります。以下私が試した方法で科学的な方法と物理的な方法を紹介します。
鉄粉除去剤(科学的な方法)
鉄粉除去剤は一般的にはカー用品店でよく見かける、スプレータイプのものがほとんどです。ボディやホイールに吹きかけると、除去剤が鉄粉のある所だけに反応し、紫色に変色します。そして鉄粉が溶解し浮かび上がるのであと洗車すればきれいになります。
上の画像はホイールに鉄粉除去剤をスプレーした状態ですが、白い泡が薬剤で紫に変色している所が鉄粉に薬剤が反応してできた汚れです。下の写真も同じですが、今回使用したスプレー式の鉄粉除去剤と一緒に画像にしました。
下の画像は、上の画像の状態から水道水をかけただけできれいになった状態です。
除去剤の成分には種類がありますので、目立たない塗装面で試してから使用した方が良いかもしれません。メリットは化学反応によって溶解させるため、傷がつくリスクも無く、手軽です。ただし、一回で取れない場合もあり、その時は作業を数回繰り返す必要があります。
または私のやり方ですが、全体に除去剤で処理した後、次に紹介する粘土クリーナーで仕上げるという方法もあります。
粘土クリーナー(物理的な方法)
粘土クリーナーは鉄粉や固形物取り専用の粘土で、手のひらで温めて柔らかくし、使いやすい形に練り上げて使います。水を流しながらの状態で鉄粉を絡めとる方法ですが、面積を決めて部分的に仕上げていく方法が良いと思います。
使用した面は鉄粉の汚れで黒ずんできますから、早めに練り直して織り込むという工夫をして使用しないと、絡めとった鉄粉で再度ボディーを傷付けることになります。注意深い作業が必要です。しかし、繰り返し再生して使用できるので経済的です。
下の画像の、粘土クリーナーの黒ずんだところが鉄粉を絡めとった汚れで、これを練り込んで新しい面を作りながら作業を進めていきます。
*その他にも以下の商品があるようですが、私は使用したことがありませんので、紹介だけしておきます。
ラバーパッド
ゴムで出来たオウトツの面で鉄粉を除去しますが、粘土クリーナーよりは傷が付くリスクが少なく広範囲でも使いやすい製品です。
ラバークロス
マイクロファイバーに特殊粒子素材を加工し、鉄粉除去ができるようにされているクロスです。
鉄粉除去作業はいつするか
じゃ、いつ鉄粉除去の作業するのかとなりますが、車の置かれている環境によってかなり差があるので、必要に応じてとしか言いようがないです。私の判断基準は、洗車後ワックスをかける前にボディーを手でなぞってみた時に、ザラザラ感を感じた時を目安にしています。
次の画像は、私の車に鉄粉除去剤を一吹きスプレーしてみました。一年位は鉄粉除去作業はしていません.。普段からかなり綺麗にしていたのですが、さすがに鉄粉に反応して少し紫の点々が見えます。
一番簡単な方法は、先ほど紹介したスプレー式の鉄粉除去剤を、上の画像のように洗車後適当な場所にシューと吹き付けてやり、紫に変色する度合いで判断できます。問題なければ、そのまま水で流せば済みますから。
洗車について
普通には汚れた車を綺麗にするために洗車しようとしたら、当然良い天気、そうです1)晴れた日の洗車と思うのが普通です。もし、雨の日に洗車をしている人を見かけたら、「雨が降っているに洗車してる、そのあと走ったらすぐまた汚れるのに、どうして?」などと思われます。
しかし、これが意外とメリットがあるんです。
雨の日に洗車をする意味はあるのかないのか。メリット・デメリットはありますが、断然メリットの方が大きいです。先に考え方を説明しますと、2)雨の日の洗車は簡単な汚れ落としがメインですから、そのことを念頭において読み進めてください。本格的に車を磨きあげるのはやはり雨が降っていない3)曇りの日の洗車です。
さあ次からは今ほどの文中で番号を付けた1)晴れた日の洗車、2)雨の日の洗車、3)曇りの日の洗車の順番に解説していきます。
晴れた日の洗車
気温が高い真夏日の洗車は最悪です。車のボディーは表面温度が高くなっているためウォータースポット(下記に説明)ができやすく、また水滴の蒸発が早いからイオンデジポット(下記に説明)もできやすいからダメなのです。また、ワックスの硬化も短時間で始まってしまうため、拭き取りが難しく本来の艶を出すことができません。
洗車の失敗原因の多くは、気温の高い日中に洗車をする事です。
夏の暑い日中がダメというのは、洗剤や水分が拭き上げ前に乾いてしまうからですが、水分が蒸発することで、水道水のカルキやミネラル分だけがボディーに残り、水垢が付いてしまうからです。
ワックスやコーティングをする時にも、ムラになりやすく、拭き上げも困難になるので何も良いことはありません。
炎天下では、目玉焼きが出来るほどに車体が高温になり、こんな状態で水を掛けても、すぐに乾いてしまいます。そして、水が乾くとイオンデジポットが発生します。
イオンデジポットとは、シンクやお風呂場の鏡に付いているような白い水垢みたいなものです。さらに、洗剤を含んでいるとシミにもなります。
また、車のボディの塗装は日光が当たって高温になると、肉眼では見えませんが人間の毛穴のようにボコボコの穴が現れます。その状態で洗車をするとどうなるでしょうか。洗剤がその中に入り、乾いてシミとしてのこる。さらに水道水のミネラルがその中に入り、水垢が溜まります。
そうなると、ムラやくすみが発生する車体に変化してしまいます。
それに、ボコボコの穴に汚れがこびりついた状態でゴシゴシ洗うので、ボディーに対するダメージは想像以上に大きいものです。ですから、特に夏の炎天下の洗車はオススメできません。
ウォータースポット
小学生の理科の授業で、レンズを使って太陽光を一点に集め、紙を焦がす実験をしたと思います。それを思い出してほしいのです。
ウオータースポットとは、雨や洗車の時に残った水滴が、太陽光を浴びてレンズがわりになり、水滴の箇所だけ塗装面が焼けてしまう現象のことを言います。
中には酸性雨によって塗装が酸化することで、月のクレーターのようにデコボコなってしまう場合もあります。
イオンデポジットとは
車を屋根のない屋外に駐車しておくと、ボディに砂埃などの汚れが付着してそれが水分の吸着により固まり、降雨や洗車をするたびに堆積していってしまうものです。さらにその部分は紫外線などで化学反応を起こして白くなり、硬化してこびりついてしまいます。
または、洗車の時に使用する水道水には、いろいろなミネラル成分が含まれます。水滴はやがて蒸発していきますが、残ったミネラルの成分が白く跡となります。それが繰り返されて堆積していくと、熱によってさらに硬さが増していき、取れにくくなります。
*ウォータースポット、イオンデポジットともにボディ表面の温度が上昇しやすい夏場や、黒や濃紺などの濃色系のボディカラーの車に起きやすい現象だと言えます。
雨の日の洗車
雨の日の洗車のメリット
さあここからが、ふつうには考えられない雨の日の洗車という話ですが、
洗車を雨の日にすることで汚れがふやけて落ちやすくなっていますから、洗車時間の短縮につながるなど他にもさまざまなメリットがありますが、まず、一番のメリットは拭き上げる必要がないという事です。
私にとってはこの事が一番のメリットなのです。拭き上げ作業というのは完ぺきに拭き上げないと意味がないんですが、これがなかなか大変なんです。その作業が省略できるというのは作業時間が半分で済むことになります。
ふつう晴れてる日に車を洗うと、最後に拭き上げ作業をします。その点雨の日の洗車は、雨が全部洗車後の水道水を流してくれるので、洗剤の洗い残しや水道水に含まれるカルキやミネラル成分などが残る心配がありません。
ですからもう一度強調しますが、雨が水道水を洗い流しますので、わざわざ水道水を拭き取る必要がないのです。理由は雨は蒸留水だからで、ミネラルが含まれておらず、ですから水垢も残りにくいのです。聞くところによると、専門の御者などはこの蒸留水を、自家製造する装置を持っていて、その水で洗車するそうです。
さらに、雨の中での洗車は空気中にホコリが舞っていないので、正しい方法で洗えばとても理にかなっている作業なのです。
正しい方法でというのは、注意しないといけないことがあり、はじめから濡れているからといって、その状態からいきなりスポンジでこする事です。それだとキズがつきますからね。
なぜなら砂ホコリや汚れは浮いているだけで、その場所から流れ落ちていませんので、たとえ雨で車体が濡れていたとしても、洗車前には水で勢いよく洗い流す必要があります。
雨の日の洗車で完璧に汚れを落とそうという考え方は間違っていますが、定期的に行う車の洗車メンテナンス作業を、雨の日を上手に利用して手間を省くというふうに考えれば良いと思います。
雨の日の洗車のデメリット
ここからはデメリットの話になります。ま、デメリットと言うより当たり前の話で、洗車時間を短縮できるのは間違いありませんが、雨の日はカッパを着ての作業になりますのでとにかく面倒です。
晴れの日に比べて作業がしづらいのは事実、女性の場合は特にお化粧くずれや髪の毛が濡れるという事もあり、女性にはおすすめできません。
やはり、青空の下で洗車するのは、とてもすがすがしいですし気持ちが良いのは当たり前で、そのことは次の項での話になります。
具体的な雨の日の洗車法
さて以上は、雨の日の洗車のメリットとデメリットの話でしたが、次に具体的な雨の日の洗車法としてどのようなやり方をすれば良いのか、大きく2つのパターンに分けられます。
車体がきちんとコーティングされている場合
普段から車体にワックスや撥水剤をきちんと塗っていた場合、雨の日の洗車のやり方はとても簡単です。頑固な汚れでない限り、水道水の水圧や高圧洗浄機によって、水をかけてあげるだけで簡単に落ちます。
きちんとコーティングさえしてあれば、汚れは車体表面に浮き出た状態になっていますから、雨の日は汚れを落としやすいという状況にプラスして、局所的に強い水圧で放射される水道水や高圧洗浄機を使うことで、頑固な汚れも落としやすくなります。
油分を含んだ汚れが付いている場合
コーティングをしていなかったり、油やオイルなどの油分を含んだ汚れでベタベタしている場合は、残念ながら雨や水だけでは落ちません。ですから少量のカーシャンプーを含んだスポンジで、軽くこすって汚れを落としましょう。あとは水道水で洗い流せば、その後は雨が仕上げの洗い流しをしてくれます。
曇りの日の洗車
ここからは一般的にやっている、日中の洗車作業時の注意点の話になります。どんなお天気が洗車に向いているのかですが、理想を言えば、風がなくて暑過ぎず寒過ぎない涼しい曇りの日です。
本格的な洗車は曇りの日にワックスがけを含めてやろうと言いたいですが、あくまで理想ですから、とにかく気をつけて欲しいのは強い日射しによるボディの高温状態です。
ボディが高温の状況下で洗車すると、シャンプーの泡がすぐに乾いてシミになったり、ワックスやコーティング剤もムラになりやすいので最悪です。
まだ日射しの強くない夏の午前中や、他の季節なら晴れていても大丈夫ですが、洗車中にシャンプーの泡が乾くようなら、天井やボンネットなどは、部分ごとに水ですすぎながら洗っていくことで工夫したら良いと思います。
それから風が強い日は洗車には不向きです、涼しくてもダメです。
その理由はせっかく洗ったボディに、風で飛ばされたホコリや砂がついてしまうからです。その上から水滴の拭き取りやワックスがけしたら傷がついてしまいます。日射し、ボディの温度、風、コレに注意して洗車してください。
夜の洗車デメリット
ついでに、夜の洗車デメリットも書いておきますが、暗くてよく見えないという事で、洗い残しが出来てしまう可能性があります。洗車場やガソリンスタンドは電灯がありますが、日中と比較すると暗いため、高確率で洗い残しがあります。
特にバンパーの下や細かい場所は要注意、洗車後にワックスをかけても、完璧に拭き取れていないことがあります。
夏の夜などの湿気が多い時期は、寒暖差の影響で車の外側に夜露がついてしまうこともあります。せっかく洗ったのになかなか乾かずその後のワックスがけやコーティングに影響がでます。
さらに、夏の夜は明かりに小さな虫が集まってくることがあり、洗車中は大丈夫ですが、ワックスがけをしている時に虫が飛んでくるとこれはもう大変、特に白い車などは光を多く反射するので注意が必要です。
まとめ
以上を簡単に箇条書きにまとめました。
1、車体には常に埃にまみれて鉄粉が付着しやすい、それを放っておくと酸化して塗装面に固着してしまい、それが原因で洗車やワックスがけの時の傷の原因になります。ですから、定期的に鉄粉除去をおすすめします。
2、鉄粉除去の代表的な方法として鉄粉除去剤や粘土クリーナーがあります。その二つを組み合わせて使用するのが効率的です。
3、洗車については日中の日差しの中での作業は水道水による水垢やウォータースポット、イオンデポジットの原因になるので避けた方がいいです。そして雨の日の洗車はそういう視点からもメリットが多い洗車方法です。
4、本格的な洗車をするなら理想理的には、風がなくて暑過ぎず寒過ぎない、涼しい曇りの日です。鉄粉除去も含めて、その後のワックスがけもすれば完璧です。
以上ですが、無知ゆえに何十年来間違った洗車方法で、車の手入れをしてきた身としては、たくさんの人にこの記事を知って頂いて役に立つことが、せめてもの慰めになります。