飲食店の経営その経理は自分でやるべきか?それとも税理士が必要か!

経理帳簿

この飲食店の経営その経理についての意見記事は、個人事業の小規模飲食店のオーナー経験に基づくものです。

そして読者対象者はそういう立場の小規模飲食店開業前の方、もしくは開業間もない忙しい時期で、税務申告のことまで含めて考えていなかった方の、経理の悩みにお答えするものです。

その答えは意見者の立場によって分かれます。でも、一番の参考意見はその経験している当事者ではないでしょうか。ですから、現役の飲食店オーナーで、経理も担当している私が、自分の経験から率直な意見として記事にしました。

参考になると思いますので、最後までご一読いただければと思います。

以下、本文です。

目次

私の長年の経験から思う事

今回のこの記事は、飲食店の経営における経理をどうするかについてのみ書いてあります。ですから、経理の帳簿に関しては別記事で解説します。

この記事は私の個人的な考えですが、40年間飲食店の経営、そして経理をやってきて思うことです。

40年という長い営業経歴の内、開業から前半位までは競合店も少なく、飲食店の経営も順調でした。しかしそれ以降、後半はドンドン商業環境が変わり、競合店(コンビニも含む)が過剰なくらい進出してきて経営不振に追い込まれるようになりました。

何とか経営を立て直すために、あらゆる思いつく手段を実行してきましたが、それによる業績の変化を帳簿を基にして作る「月別集計表」で確認しながら絶えず軌道修正し、だめなら次の手を考えて実行する。その繰り返しで何とか今日まで存続してきました。

よく言われるのは、そんな時税理士に経理を任せていると、アドバイスをしてもらえると言う事です。

それは帳簿上の数字の率の割合が平均より、または一般より高いとか低いとか、例えば原価率が高いから材料費を考えた方が良いとか、人件費をかけすぎているから効率を考えて人を減らした方が良いとか、そのようなことです。

しかし、そんなことは少し勉強をしている経営者ならわかることで、どんぶり勘定で経営している経営者には有効かもしれません。

しかし私の場合はもっと実効性の高い現実、現場に即したアイデアというものが必要なのであって、それは当事者にしかわからないことです。

現場の実態を知らない他人の意見を挟むと、何が正しいのか迷うばかりで、でたらめになります。もうこれは経営者が寝る間も惜しんで考えるしか手はなく、そんな時に最低限必要なのは店の営業実績の資料(簿記・帳簿)です。

そのような事情から、私の場合は税理士に経理を任せるという発想はなく、40年間帳簿とにらめっこを続けて経営してきています。

いきなり結論、自分で経理をやるべき

ですからここで早くも結論を言ってしまいますが、経理は少なくとも最初はご自身でやった方が有益だと思います。ですからこの記事はその事についての解説記事になります。

自分で経理をやるべき理由を、経験談でもうすでに少しお話していますが、この先の記事もよく読んで理解して頂きたいと思います。必ず経営者として将来スキルアップにつながります。

忙しくて多少時間的に困難があるかもしれませんが、開業店の規模が小さい飲食店の経営だからこそ、最初の内はご自身で経理をされるべきだと思います。

将来はさらに飛躍して規模拡大、法人化したいなどと思われるのでしたら、その時に税理士にお願いしても遅くありません。

そして、規模拡大に応じて融資が必要な時など他人に対して経営状態の説明が必要になった時は、具体的な数字を交えて説明できれば断然説得力が違ってきます。融資の交渉の時など、具体的に数字で説明交渉できなければ、なかなか融資を得る事は難しいと思います。

飲食店の経理は簡単な方法も選べる

飲食店の経理は現金主義会計で処理でき、それほど難しいものではありません。簡易簿記という簡単な方法も選べますから、最初はそこからのスタートで良いと思います。

私自身が未経験者からのスタートでこなせましたから、自信をもってお勧めできます。

簡単な方法というのは、子供のお小遣い帳なんて言うのがありますが、それが記帳できて管理できる能力があれば誰でもできます。なんか馬鹿にした書き方だと思う方もいらっしゃるかも知れませんが、けっしてそうではなくて私の過去の経験をお話しします。

私が住む町内会での話ですが、その町内会の会計係を何度か引き受けたことがあるのですが、その過去の帳簿を調べると、まあ驚く事なかれ、でたらめなのですね。まず基本中の基本現金出納帳が書けない人が何人もいらっしゃるのです。見本となる帳簿記録が残っているにも関わらずです。

その時に初めて認識を新たにしたのですが、そういう感覚そのものがその人に無いというのか、要するにセンスがないのですね。一番ひどかったのは入・出金の記録は一切書かなく、すべて預金口座の通帳をその代わりにしていて、いちいち銀行に出向き一円単位までの現金を入・出金して帳簿代わりにしていたケースがありました。

すごい労力と手間をかけていたのだなと思う反面、なんでそうなるのと首をかしげざるを得ません。

そういう経験からお小遣い帳の話になったのです。ま、余談はその位にして皆さんも世の中にはそのような感覚の人もいらっしゃると理解してください。そうすると話が噛み合わなかった時にその理由が理解できるかもしれません。

以下、事項より改めて自分で経理をやった方が良い理由を整理して解説します。

自分で経理をやる利点

その理由はいくつかありますが、以下簡単に説明します。

経営状況の判断資料として活用する

手元に経理帳簿を置き管理していると、時々経営状態をチェックしたい時に、すぐ帳簿で数字が確認でき経営判断の手助けになります。

帳簿は大事な経営資料であることをご理解ください。経営判断する時にいつでも必要となります。時には対前年比を見る時も多々あります。

ですからなおさら外部委託でなく、内部で経理処理していつでも見れるように常備しておきたいものです。そして、その担当者がいない場合は是非とも自分で担当してください。

そういう意味合いから考えても、駆け出しの素人経営者は、経理感覚も身につけなければならず、良い学習にもなりますから、ぜひトライして頑張ってみてください。

私の経験からも言えますが、すぐ費用対効果、無理無駄、努力すべき項目等々見えてきます。

経営は数字で管理しないと、感覚では勘違いや思い違いなどいい加減になりがちです。ドンブリ勘定とはこの事を言います。

経営力を養う

先の項で書いたような努力を続けていると、だんだんと経営者として、営業における利益構造の成り立ちがわかってきて、その感覚や判断力が養われてゆき経営力が付いてきます。

さらに、今の経営状態で先の事が読めるようになり、何か月後には資金がどういう状態であるか、もし足りないとしたらどうするかなど、早めの手が打てますし対策も講じられます。

そういう事ができて初めて経営者と言えます。ですから、経営者は数字に強くなければならないのです。経営者は常に資金繰りの最高責任者でもあり、日々資金繰りとの戦いでもあります。

ですから、私の感覚では帳簿資料は常に自分の脇に置くというのは常識で、逆に無いと不安さえ感じます。

綱渡りの経営経験がある身としては、すべての数字の把握は必須になっています。

税理士に依頼すると報酬額が負担

私の場合は、税理士との交流がないので具体的な記事は書けませんが、税理士の情報もネット上にはたくさんありますので、大まかなことはわかります。

それによると、一か月の報酬額は最低でも1~2万円から、そして税務の確定申告時には月額の数倍位別料金が必要という事で、結構高額の費用が掛かります。

これは、小規模飲食店の場合は負担が重いと思われます。

店の営業実績を確認してからで良い

前項で書いたような次第ですから、現実的には2~3年店の営業実績を見ないとそれだけの税理士費用負担が妥当かどうかはわからない訳です。

ましてや、開業時にはどうしても思わぬ出費が重なるもので、できるだけ不要不急なものは後で、というのが大原則です。

当然税理士費用はそれに該当することになります。

ま と め

最後に、飲食店の経営その経理は誰がやるのかについて、箇条書きでまとめました。

「個人事業の小規模飲食店の経理は、経営者自身が担当することをおすすめします。」

その理由は以下です。

  1. 月ごとの経営状況の判断材料として帳簿を手元に置いて自在に活用するため
  2. 飲食店経営者自身が経営力を養うため
  3. 税理士に経理を依頼した場合その報酬額が負担になる
  4. 2~3年飲食店の営業実績を見ないと、経営がどうなるかわからない

以上ですが、飲食業はかなりシビアな数値管理をやっていかないと、なかなか思うように利益がでません。経理に無頓着ではいずれ行き詰まります。

個人飲食店の場合、事務時間が取れなくてこの経理業務がどうしても疎かになりがちですが、このさい忙しくても覚悟を決めて、自分のために経理も頑張って努力した方が良いと思います。

あなたのご健闘を祈ります。

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