損害賠償請求の訴訟による裁判で失敗!!その体験談とアドバイス

地方裁判所雑記
地方裁判所

もしあなたが損害賠償請求をしたいが、相手側とうまく話がまとまらない。訴訟により裁判で決着をつけたいが、どんなものか全く想像ができない、不安を感じる。どうしたらよいのだろうと悩んでいるのでしたら、私の体験談が参考になると思います。

さらに、その体験に基づいたアドバイスも得られます。

皆さんがよくドラマや映画、またはニュースで観る裁判は、刑事裁判です。今回のケースは民事裁判になるのですが、民事裁判を見たり聞いたりする事は、まずありませんから、なおさら不安を感じると思います。

今回はまったく無知だった私が体験したことを、事故の流れなどから詳細に記事を書きますので、参考にしてください。一般的に一番多い事故による損害賠償請求は、交通事故ですが、私の場合は妻の、スーパーマーケット内の転倒事故です。

転倒事故の参考になる裁判の判例は少なく、調査資料の作成に苦労しました。

こういう記事は少々面倒かもしれませんが、裁判の体験談というブログ記事はそれほど多くはありませんので、今は関係のない人でも、この記事を読むことによって民事裁判とはどういうものかという事がわかり、今後の考え方の一助になると思います。

今回の訴訟の原因となった、事故のあらまし

当事者は私の妻です。

その日は雨が降っていましたが、いつもの通り、行きつけのスーパーマーケットへ買い物に行きました。

駐車場から車を降り、車道を横切って、普段どおりに出入り口通路に足を踏み入れ行こうとした瞬間、足が滑って身体が宙に浮き、右の大腿部を店舗敷地の縁石にぶつける事故になってしまったのです。

すぐに、病院に救急車で搬送、大腿部複雑骨折の重傷で、固定金具を使用する手術になりました。

その保障に、相手側の店舗保険を利用することになり、妻の代理人としての私と相手側店舗管理本社の担当者と、保険会社の担当者の三者で話し合い交渉が行われることになりました。

以下、本文になります。

はじめに

損害賠償請求する際は、いきなり訴訟により裁判を起こすわけではありません。

通常は示談交渉をするのが普通です。以下、その示談交渉のやり方です。

【この記事の一番大事なポイント】示談交渉のやり方

ここの項目が、この記事の中で一番私が言いたいことですから、しっかり読んでください。示談交渉さえうまくまとめられれば、何も大変な裁判までする必要はないのです。

まず、何らかの事故が起きた段階では当事者同士の話し合いになりますが、話が進んで金銭的な話し合いという事になると交渉相手が変わってきます。交通事故の場合は当事者同士どちらも自動車保険に加入していますので、両者どちらも交渉に関する事はすべて、保険会社の担当者に任せてしまうことができます。

この場合はお互いプロ同士の話し合いなので、あなたにとって何ら問題になる事はありません。

しかし、今回の私のようなスーパーマーケット内での転倒事故の場合は、相手側の店舗に掛けてある保険が使えるかどうかが問題になる訳ですから、事故により怪我をした本人と、相手側店舗の担当者そして保険会社担当者の、三人での話し合いになります。

この三人の話し合いという構図が、最悪の示談交渉における環境条件なのです。以下、その説明です。

保険会社の担当者はこういう事故を扱うプロです。しかしこちらは素人、さらに一般の人は気付かないことかもしれませんが、保険会社の担当者にはさらに会社の顧問弁護士がついています。この弁護士がさらにプロ中のプロでかなり手強いです。

このことをしっかりわきまえて、取り組んでください。

ですから一回目の示談交渉の場では、あとから揚げ足をとられるような事も考えられますので、一切余計な事は返答しないように控えましょう。

おそらく短期で話をまとめようと、賠償額の算定書などの資料を持参してくるでしょうから、その説明の話だけ聞いてこう言ってください。「あとは私も弁護士を依頼しますので、私の弁護士とご相談ください、以上、お引き取り願います」

保険会社が提示する賠償額の算定書は、ほとんどの場合が最低額で提示されます。

ですから弁護士に依頼した後はすべて弁護士に任せて、あなたの役割はそれを不服とする証拠資料作りに専念すれば良いだけです。

私の場合はこの一回目の示談交渉の段階で、保険会社側から交渉打ち切りを言われてしまったのです。「弁護士に依頼して再度示談交渉をする」という知識がなかったために、やむを得ずいきなり弁護士に訴訟依頼をしてしまったのです。

もし相手側が、弁護士が間に入っての話に応じなければ、当然訴訟に発展しますから相手側も無視はできず、再交渉は可能だったと思います。

今だから分かりますが、最初に弁護士に示談再交渉を依頼しなかったというのが今回の私の最大のミスであり、間違いでした。

そして訴訟するかどうかということは、示談交渉の段階から弁護士に相談すればその成り行きで、弁護士があなたに相談のうえ考えてくれますから、すべてプロに任せた方が賢明です。

ここで改めてあなたの一番大事な役割を書いておきますが、それは相手側が訴訟に持ち込まれるのを嫌がるくらいの、証拠立証資料の作成に最大の努力をする事です。

このことは弁護士には出来ません。事情をよくわかっている当事者だけができる事ですから、あなたの努力次第で大きく展開が変わります。

以上ここまでを理解した上で、以下の本文に入っていきます。

損害賠償請求をする事になった事故の詳細

この事故のあらましについては、本文の最初に簡単に書きました。しかし、その「事故のあらまし」だけでこの話を進めていくと、読者の中にもこのような事に詳しい方は「あれ、この記事はおかしいのでは?」と思われる方もおられるかもしれません。

というのも、こういった施設に掛けられている保険というのは、あくまでも施設の敷地内での事故が対象で、敷地境界線の一歩でも外の事故に関しては、まったく対象外で関係ない事になります。この点について「事故のあらまし」では一切触れていないのです。

ですから、訴訟の第一歩はこの敷地内の事故だったという立証がスタートラインになります。

実際被告側弁護士も、訴訟により裁判が始まった時、まず最初の反論答弁書で「被告は、原告が転倒した瞬間を見ていないし目撃者情報もない、はたしてそのような状況下で転倒場所が対象店舗敷地内かどうかも疑わしい」と反論してきたのです。

その反論を覆す証言が、下記の詳細証言文と証言を裏付けるために作成した資料なのです。その証言文で原告は「目撃者は複数人おり、全ての対応は目撃者からの情報による、店長の判断によるものです」と主張しています。

そういう意味において詳細証言文を記載してこそ、この記事の主張が担保されるという事であえて全文記述します。

そしてこの記事の後半で「私(夫)の立場から見た、事故当時の詳細」という記述も記載しました。

この二つの詳細文によって、事故の全容と経過がわかり、私たちの置かれている立場がより深く理解していただけるものと思います。

事故の詳細

当事者(原告)は私の妻です。

【以下、原告が裁判官に申し立てた「事故当時の詳細証言」です】 

 あの日は、出入り口に一番近い駐車場に車を止め、雨の中を小走りに歩きはじめました。○○スーパーマーケットさんの出入り口前には車道があるので、車が通らないか気を配りながら左右を確認し、十分注意しながら出入り口に向いました。

 しかし、その出入り口はいつもと状況が違い、出入り口ドアと向かい合うようにお好み焼き屋さんの屋台がありました。屋台の左側にはテントが張ってあり、また、屋台の前にはお好み焼きを買うお客さんが1人いました。屋台があってお客さんも待っているものですから、出入り口の付近がとても狭く感じられました。

しかし、普段どおりに出入り口通路に足を踏み入れ、行こうとした瞬間、本当にあっという間の出来事でした。身体が宙に浮き、右の大腿部に衝撃と激痛が走ったのです。踏み入れた場所は別紙1に書き込みしたとおりです。そのまま雨がどんどん私の身体を濡らしていきました。

 私が駐車場から転倒するまでの進路、お客さんの位置などは別紙2に記載したとおりです。私は別紙2のA→B→C→Dと進み、Dで転倒しました。

 不思議な事に、私は転倒し大きな衝撃を受けたにもかかわらず、その時点では自分の起きた事を、大した事ではないと考えていました。きっと、あまりの一瞬の出来事で、その時の状況に心が追いついていない状態だったのだと思います。

また普通に買い物をしようと何度か立ち上がろうと試みましたが、グニャグニャとして、それは何とも言えない、いやな感覚でした。私が転倒した場所は○○スーパーマーケットさんの出入り口ドアの付近でしたので、人の出入りが多く、私の前後には何人かの人がいました。

まず最初に声をかけてくれたのが、転倒事故を一部始終目撃していたお好み焼き屋の店主の方でした。その後、私の前後にいて目撃していたと思うお客さん達5~6人が私を取り囲み、傘を差しかけてくれたり私の鞄を持ち気遣ってくれたりと、その優しさに涙が出る想いでした。

 雨の中、全く身動きが取れない私を見て、取り囲んでいた人の誰かが連絡してくれたのでしょうか、気が付いたら店側から店長が駆けつけ「大丈夫ですか?、寒いですからこちらに移動しましょう。」と、出入り口付近に丸椅子を用意してくれました。

しかし、全く立ち上がる事も出来ない私の様子を見て「男の私があなたを抱きかかえるのは失礼ですから、今女子店員を連れてきますので待っていてください。」といわれ、すぐ、女子店員の方を2人連れてきてくれました。

でも、所詮女性の方、力を完全に預ける事は出来ず、立ち上がり歩くには自分の力を必要とする事がほとんどで、今思い出すとあの時が一番辛く一歩一歩が激痛との闘いでよく歩けたと思いますが、その時はただただ必死でした。

そんな状況で、やっと丸椅子の所までたどり着いたと思ったら、私がとにかくガタガタと震えていましたので、女子店員の方が「ここは寒いですね、中に入りましょう。」と再び出入り口ドアの内側に移動しました。

もう動きたくはなっかったのですが、女子店員の方の気遣いに断る事も出来ず、一歩一歩顔をゆがめながら移動しました。主人に電話して迎えに来てくれるまで、その女子店員の方は私の背中をずっとさすり、毛布を掛けてくれたりと終始平身低頭で丁重でした。

 徐々に自分の身に起こった事態の深刻さに気づき始め、激痛と恐怖で震えが止まらず、私の背中をさすってくれている女子店員の方はもちろん、店長副店長とも一言もしゃべる余裕などなく、ただ周囲の人達の言われるがまま、行動するのが精一杯でしたので、あの時の店長の対応は、周りの人達の目撃情報とその時の状況を見ての判断だったと思います。

丸椅子に座っている私に店長が「身元のわかるもの何かありますか。」と聞いてきましたが、私は即座に意味がわからずキョトンとしていると、再度、店長が「ちゃんと病院で診てもらってください。もし何かありましたら、掛かった病院代はこちらが全額負担しますのでご安心ください。」といわれました。

そんなやりとりを見ていたお好み焼き屋の店主が「奥さん、こんな場合はしっかりと、病院で診てもらわんとあかんよ。」とアドバイスしてくれました。見ず知らずの屋台の店主の方が、わざわざそんな助言をしてくれる程、あの時の私は茫然とし、状況を把握していない様子だったのでしょう。

 以上のようないきさつですから、私はあの時ガタガタと震えるだけで、自分の事情説明は誰にも一言も話していません。いえ、話せる状態ではありませんでした。全ての対応は目撃者からの情報による、店長の判断によるものです。

以上が、本人の裁判官に対する事故の詳細証言です。

 (下記の写真において、事故の翌日撮影に行った時には、すでにマットは敷いてあったが、事故当日はマットは敷いてなく、注意を促す看板も張り紙もなかった。)

以下の図は、私が立証するために取材作成した資料図です。

別紙1(事故現場写真)
別紙1(事故現場写真)

別紙1は原告が事故を起こした現場写真です。©の所で一旦様子を見て、Ⓓの所で足を踏み入れた瞬間に宙に浮き転倒、そして縁石の角に大腿骨をぶつけました。

もし©地点での転倒事故となると店舗敷地外という事で、被告の責任ではなくなります。ですから、転倒場所も明確に立証しなければなりません。これについては目撃者情報と、診察した医者の説明で「平坦な道路ではなく角ばった物で叩いたような骨折」という診断説明により被告と争いにはなりませんでした。

別紙2(進路説明図)
別紙2(進路説明図)

別紙2は原告の駐車場から転倒するまでの進路、お客さん(目撃者)の位置などを説明した図です。原告は別紙2のA→B→C→Dと進み、Dで転倒しました。

接地解説図
接地解説図

*上図は原告が、事故箇所Ⓓに足を踏み入れた時の、接地解説図です。どの写真も身体が傾斜しており、転倒する危険は理解できると思います。(右上写真がまさしく原告と同じ踏み込み状態です。そのまま転倒し、大腿部を縁石に強打しています。*事故当時、マットは敷いてありませんでした)

進入路比較写真
進入路比較写真

*上図は、事故当時の状態が右列の写真ですが、事故後こちらの立証指摘により、テントを撤去したのが左列の写真です。右列写真ではやはり、誰しも事故箇所Ⓓ点に足を踏み入れており、身体が傾斜しています。(事故当時はマットは敷いてありませんでした。事故直後に設置したものです)。しかし、テントがなければまったく進入路は違っていた事を立証した、証明写真です。

結論を先に、アドバイスは最後のまとめに

この記事は個人的な具体例ですが長文ですので、結論だけわかれば良いとお考えの方のために、この項で結論(デメリットのみ)を先に書いて置きます。

一番大事なポイントの説明は「はじめに」の所に、そして、アドバイスは最後の「まとめ」に書いてありますので、あわせて読んでください。

この件の具体例の詳細が知りたいと思う方は、その他の項も読み進めてください。

以下、結論です。

一般的な裁判所に対する認識とのギャップ

一般的な認識は、提訴すれば裁判所は当事者双方の主張内容と立証内容を確認した上で、最終的にその内容を精査判断し、裁判官が妥当な結論を判決として下すと思っています。私もそう信じていたからこそ提訴したのです。

しかし、現実は違っていました。

私の弁護士の見解ですが「裁判官は提出した主張内容と立証内容の書類を一切読んでいないと思うよ」という推測でした。提出した資料や書面についての確認が一切ないからです。(しかし逆に私は自信があったので、確認の尋問がないという事は、すべて受け入れられていると思っていました)

それが、そんな状況下で、ある程度答弁が進んでいる過程で突然「当裁判所はこの訴訟を判決では棄却するから、双方共に和解するように」というような内容の通知が届きました(判決は敗訴にするいう内容です)。通知書が手元にないため文面は正確ではありませんが、意味合いはそのような内容でした。

私は勿論のことですが私の弁護士も驚いて「これと同じ内容で、相手側弁護士にも送ったそうだが、常識を免脱している、事前に敗訴の判決をするからと言っておいて、和解しろとはどういうことだ、和解が成り立つ訳ないだろう、考えられない」と言って怒っていました。弁護士が言うには裁判所の書記官も「常識では考えられない」と言っていたそうです。

この和解勧告のどこがおかしいかを解説しますが、「判決は敗訴と決めているから和解した方が良いよ」と私たちだけに通知をして、先方には「この時点で和解をしたほうが良い」とだけ通知をするべきなのです。それが誰が考えても丸く収めるための方法だと思います。

それを相手側にも「判決は敗訴にする」と明かしてしまったら、相手側は判決になっても強気で出られるから、和解交渉が決裂しても何のリスクもない訳で、こちら側としてはもう一方的に不利な立場に置かれる訳で、和解の話が成り立つ条件ではないという事です。

以下、今回私の場合は、裁判官の信じられない内容の双方への通知によって、思わぬ結末(裁判官が決定したことには、絶対従わなければなりません)に至ったので何のメリットも無く、すべての努力が水の泡、何の質疑応答もなく無駄に終わりました。結論としては当然、訴訟のデメリットだけを書くことになります。

自分の主張が絶対に正しくとも裁判には必ずリスクがある

自分の考えている主張が絶対に正しいと思っても、裁判には必ず何らかのリスクがあり、必ずしも勝てるとは言い切れません。現実に私が、そうでしたから。

提出書類の不備とか、進め方の手違いとか、いろんなリスクがありますが、私の場合も考えられないトラブルがありました。

被告側の弁護士の指摘で分かったのですが、手術を執刀した担当医の診断書に記入ミスがあり、後遺症等級認定が無効になってしまったのです。

これについては再検査を受け再び提出して解決できました。しかし、術後かなり経過していましたので、再検査の時立ち会いましたが、後遺症等級が変更にならないかヒヤヒヤしました。

もし、判決まで知らないでいると、損害賠償を全く認めてもらえないこともありますし、金額を大きく減額されてしまうこともあります。これもひどい話で、どこにリスクが潜んでいるかわからないです。

訴訟で負けた場合、事前に交渉や調停の段階ででていた解決案の方が得だったということも起こりえますから、事前条件がそこそこならリスクの大きい裁判は避けたほうが賢明かもしれません。

このように、裁判にはリスクがあることを常に意識しながら進めるべきで、絶対勝てると過信して訴訟を進めると、思わぬ落とし穴があります。

そうなんです、この私にも更なる落とし穴が、先ほどの項で弁護士が「裁判官は提出した主張内容と立証内容の書類を一切読んでいないと思うよ」という推測を言ったと書きましたが、これについては私の弁護士が、裁判官に反応が無い理由を説明してくれました。

ちょうどその頃は三月の裁判官の移動時期で、おそらく裁判官の机の上には山積みの書類で時間に追われ、この訴訟は軽く見られていて裁判する気がないようだ、だから最初に結論ありきの態度だと、説明を聞いて唖然としました。そんな事が平然とある事なのかと思いましたが、弁護士も処置なしという感じでした。

弁護士に依頼しても、証拠集めや尋問の負担はすべて当事者です

自分が正しいという詳細な立証は自分でしかできず、それがゆえに申し立てる段階からその証拠物、写真、資料などはすべて自分が用意しなければなりません。

しかも、訴訟を進めている最中も被告側弁護士から何度も反論を繰り返されますが、そのたびに答弁書として立証しなければならず、長期間そのことに拘束されますから、訴訟というものは非常に労力と手間暇がかかるものです。

しかも、最終的には尋問を受けて、裁判官の前で的確に受け答えをする必要があります。(今回、私の場合はまったくそれがありませんでしたので、確認の尋問がないという事は、すべて受け入れられていると思っていました)

弁護士に依頼しているとは言え、あくまでも弁護してくれるだけで自分自身が裁判で戦っているという認識が必要です。どれだけの証拠を集め、さらに立証できたかがキーポイントですから、自分の力量次第で民事裁判の判決は決まります。

訴訟をすると、解決するまでに相当長い期間がかかる

訴訟により裁判をすると、相当長い期間がかかってしまい、その期間中は何かと拘束されることになります。

普通の場合でも判決を出してもらうまでには、8カ月位かかると言われます。それより長くなることもありますが、判決ではなく早期に和解案が出たとしても、半年程度はかかってしまうことが多いそうです。今回の私の場合がこの和解案のケースですが、やはり半年位でした。

示談交渉なら1ヶ月もかからずに解決できることがありますし、調停や仲裁決定などの他の手続きによっても2ヶ月~3ヶ月で解決できることが多いそうで、それらと比べると、長い期間がかかる点は、訴訟のデメリットと言えるでしょう。

裁判は多額の費用がかかります

訴訟による裁判は、意外と多額の費用がかかります。

まず、訴訟自体に費用がかかり、損害賠償請求の金額に応じて、裁判所に高額な印紙代を支払わなければなりません。

そして、弁護士費用が高額です。勝訴すれば相手に請求できるので問題ないですが、敗訴した時には全額自己負担になります。(弁護士に依頼したときに払う、着手金は自己負担です。これらの費用はネットでググれば情報が得られます)

相手方弁護士からの反論で、かなり不愉快な思いをさせられる

品格の無い被告側弁護士と向かうと、反論でかなり不愉快な思いをさせられます。

しかも、被告側弁護士は保険会社の顧問弁護士ですから専門的に慣れていて、どれだけ立証しても必ず反論してきて、素人のこちらとしてはかなりキツイ思いをします。

時には馬鹿にしたような反論をしてきます。例えばそんな事も知らないのか見たいな言い方で反論してきます。

私の弁護士さんも今回は専門外のことで、というのも私と同い年の知人の弁護士で、無理に引き受けてもらったのです。それで、専門書などを買ってきて書類などを作成していましたが、その専門書の記述が間違っていたために、その間違いを指摘され馬鹿にされました。

ちょっと、その言い方はないだろという感じで、もう少し紳士的にできないものかと思います。

以上で結論は終わりです。

以下、詳細な経緯の記事になりますので、参考にしたい方は読み進めていただければと思います。

私の立場から見た、事故当時の詳細 

一人暮らしをしている私の母親が、かかり付けの診療所に通院しているので、その付き添いのため外出していました。診察も終わり母親の家まで送ろうとしていた時に携帯電話が鳴りました。

「あなた、スーパーで怪我をして動けない。迎えに来て。」何事かと思いましたが、取りあえず母親共々一緒に、現場に急いで駆けつけました。現場に着いてみると、入り口の所で椅子に座った妻が、店員さんに介抱されながら待っていました。

一旦、駐車場に入りましたが、定員さんが走り寄ってきて、妻がいる入り口の方に誘導するので、それに従い入り口の脇に車を止めました。

そして、車を降りてそばに行くと、店長と副店長が待っていたらしく、名刺を差し出して「うちは保険を掛けていますので、病院の治療代は全部、こちらで負担しますから、とにかくすぐこのまま病院に行ってください。」と言われたので、言われるままに、すぐ店の後ろ側にある普段からかかり付けの病院へ直行しました。

しかし、激痛のために搬送は相当困難なものでしたが、そうこうしてなんとか院内に入る事ができました。そして院長先生に事情を話すと、すぐ画像診断という事になり、レントゲン室に運び込まれました。

診断に際しては妻の担当医である先生も立ち会っていただき、院長先生とでお二方の先生に診断をしていただきました。

診断結果は「これはひどい、大腿部はもちろん股関節も骨折しているかも知れない、すぐ手術が必要だがここでは処置できない。転院が必要です。どうしますか○○さん」と言われたので店長から言われた事情を、店長の名刺を見せながら話すと「ああ、ちょっとその名刺を貸して下さい」と言って名刺を受け取り、その場ですぐ電話を掛け「○○病院の院長です。店長と副店長、説明しますからすぐ来てください」と連絡、呼び出していただきました。

すぐ駆けつけた店長と副店長に対してレントゲン画像を指差しながら、「ここと、ここと、ここが骨折している。股関節もいっているかもしれない。これは、はっきり言って重傷です。ここでは処置できません、すぐ転院して手術が必要です。店長どうしますか」と店長に決断を迫るような感じでした。

それに対して店長は一瞬、間を置いて覚悟を決めたようで「これはうちの責任です。治療代は全てこちらで負担しますからすぐ手配をお願いします」とすぐ返事を返したのです。

その返事を受けて院長先生はこんどは私の方を見て「じゃ、○○さんどこの病院に行こうか。」と言われましたが、急なことで判断に困っていると、隣にいた担当の先生が「○○総合病院なら○○さんの家から近いし、整形外科で実績もあるからいいんじゃないの。」と助言をしてくました。

先生がそうおしゃるならと言う事で、「じゃ、○○総合病院へお願いします。」と返事を返しました。そして院長先生が、すぐその場で救急車手配の電話を掛けてくれたのです。

救急車を待つ間少し時間がありましたが、副店長が、レントゲン台の上で横たわっている妻の枕元に行き、謝罪するような感じで「今回の事はこちらのミスで奥様に大変な怪我を負わしてしまい、大変申し訳ございませんでした。今後このような事故が二度と起こらないよう、今マットを敷いてきました。どうぞ、安心して下さい。」

(何で最初からそうしてなかったんだ。マットが敷いてなかった為に、妻が怪我をしてしまったんだぞ。今さら何をトンチンカンな事を言っているんだ。)と内心少し憤りを感じつつもそれどころではなく、やがて救急車も着きその様な経緯で転院しました。

幸いな事に○○総合病院の画像診断の結果、股関節の1センチ近い所で骨折はとどまっているとのことで一応安心しました。それでも重傷であることには変わりなく、一刻も早い手術が必要だったのですが、なにぶんにも急で、もう夕方近かったため手術が出来ないと言われました。

妻は何の処置も出来ないまま、痛みを我慢しつつその日は過ぎました。

夜になって、何でこんな事になってしまったのかと思い、事故現場を見に行きました。現場を検証するような感じで見ていると、入り口近くで屋台の店じまいをしていた男の人が話しかけてきました。

おそらく私が事故直後、妻を迎えに来たのを見ていて夫だとわかっていたのでしょう。彼が話すのには「ここ、前から危ないと思っていたんだよね。きのうも何人か滑っていて、男でさえ転んでいたよ。奥さん宙に浮いてここに落ちればまだも良かったんだろうけど、ここに落ちてぶつけたんだよ、運が悪かったね。」と縁石を指差しながら説明してくれました。

その時に言われた「男の人でさえ」という言葉が強く心に残り、何でこんな危険箇所に対してもっと早く対策をとれなっかったのかと思いましたが、その日はそのまま病院に引き返しました。

搬送の時は店長も副店長も付き添ってはいただけなく、仕事の段取りをしてから誰か来てくれるのかな、とも思いましたが、結局その日は誰も来る事もなく、何の連絡もないまま一日が過ぎました。

翌日、目が覚めて心が落ち着いてくると前日、先方の誰も来なかった上に、何の連絡もないことに対して何か不信感を感じ、直感的に現場写真だけは残しておかなければと思い、急いでカメラを持って出かけ撮影しておきました。

その時気がついた事は、入り口がやや危険な構造をしているにもかかわらず、通常、店舗で見かける注意を促す張り紙や立て看板すらない事に気付きました。しかし、その時には前日なかったマットは副店長が言ったようにすでに敷いてありました。

何でもっと早く安全対策をしておかなかったのだと思うと、やるせない気持ちを感じました。そして何の連絡もしてこない相手に対する不信感から、記録を残すために日誌を書く事にしたのです。

その日の午前11時から手術が行われましたが、その間も○○さんが様子を見に来てくれるのではないかと、一抹の期待を持って待っていましたが、結局その日も何の連絡もありませんでした。

そしてやむを得ず、翌日こちらから、店長に面会をしに店に行きました。そこからが争いの始まりです。

相手側と交渉、譲歩引き出す

信じられない話ですが、あれほどハッキリ、第三者である搬送先の院長先生を含む複数人の人達の前で「これはうちの責任です。治療代は全てこちらで負担しますからすぐ手配をお願いします」と言っていた本人が、手のひらを返したような対応です。

本部の上司からか、または保険会社から余計なことは言うなとでも釘をさされたのでしょう。

その後何度か店長との交渉に行くうちに対応に困ったのか、保険会社の者が来るようになり、店側の担当者も本部の者と変わりました。交渉の場所も本部の応接室か私の家になり、当事者の店長とは一切顔を合わせる機会もなく、関係なくなりました。

反対に私としては権限を持った相手に変わり、交渉しやすくなった訳です。

かなり強気で臨み最初に店長が約束したことは当然守るべき事として、さらに(夫婦で飲食店を営んでいた事情により)当面の休業補償も条件として引き出しました。

これで、妻が完治して仕事に復帰できるまでは、何とかしのげる事になったのです。

担当医からは退院まで3カ月の予定と言われ、驚いたことに手術の翌日から、歩く訓練のリハビリらしいです。相当に苦しいリハビリでした。

この時に、はじめて知ったことはこれだけ大きい怪我だと、そのショックで頭の中の歩くことのプログラムが飛んでしまい、歩き方そのものが分からなくなるそうで、妻も歩き方を忘れてしまって歩けないと言っていました。

しかし妻の相当の努力と頑張りで、退院時には歩けるような状態まで回復しました。

あと通院でリハビリを続け、骨がある程度固まった状態で固定金具の取り出しの手術をして完治となります。

その怪我の症状が固定してからが、本格的な損害賠償請求の交渉になるのです。

本格的な損害賠償請求の交渉

読者の皆さんは「あれ、治療の費用や入院費用そして仕事の休業補償費は支払ってもらったのでは?」と思うかも知れません。

が、それらはどちらが負担するかの問題で、金額は実費ではっきりしているので争うことはありません。どちらが負担するかは初めにはっきり負担すると約束しているので、これも争いになりません。

ただ休業補償費は私が粘り強く交渉して、譲歩してもらいました

じゃ、この先なにが争いになるのかというと、交通事故の場合を考えていただけるとわかると思いますが、過失割合と後遺症による逸失利益と慰謝料の額が大きいのでその算定で揉めるのです。

損害賠償請求の示談交渉

しかし、初めての示談交渉になる訳ですが、私も経験がなく、そしてこの段階ではまだ私は弁護士を立てていませんので、保険会社担当者は私を素人として見ているようで、かなり強気で口調もキツイものでした。

そして1枚の損害賠償算定書を出しての説明によれば、過去に支払った休業補償費が慰謝料分だという事です。「だから、もう十分だろう、これ以上の賠償金はもう出せん」と宣言されました。つまり、後遺障害による逸失利益と慰謝料ほぼゼロ回答です。

その保険会社の明細を箇条書きしますと、

  1. 治療費 1,059,240円
  2. 通院交通費 600円
  3. 入院雑費 75,900円
  4. 休業損害 399,000円
  5. 傷害慰謝料 1,620,000円
  6. 後遺障害 0円 (逸失利益と慰謝料)

損害額合計 3,154,740円

  • 過失相殺額 946,422円 (損害額合計 3,154,740円×30%)
  • 損害賠償額 2,206,318円 (損害額合計 3,154,740円-過失相殺額 946,422円)
  • 既払額 2,059,240円

最終お支払額 149,078円

ここで、過失割合を何の相談も無く、被告70%、原告30%としていますが、これは保険会社側の損害賠償算定書において、最終支払い金額がわずかな金額に収まるように調整した数字だろうと思います。

普通、裁判においてはこれは争われる数字ですが、まさか訴訟で裁判になるとは想定していないのか、自分で認めています。ですから、後の弁護士計算書でもこの比率を採用しています。

以上、実際の損害賠償額の算定書が下図になります。

保険会社の損害賠償額算定書
保険会社の損害賠償額算定

*上図は、示談交渉時に提出した保険会社の損害賠償額算定書です。

一般の人はこの時点で、慰謝料にもいろいろあるという事を知りませんから、単に慰謝料分まで含んでいるから十分だろう、という事で印鑑を押してしまいがちです。

しかし、ここが巧妙な盲点です。次に説明するように弁護士が算定した計算書によると、後遺症による慰謝料と逸失利益は別物なのです。そして、休業補償費も別になっています。

その弁護士の明細を箇条書きしますと、

  1. 治療費 1,320240円
  2. 付添通院交通費 26,4900円
  3. 入院雑費 121,500円
  4. 休業損害 2,953,422円
  5. 入通院慰藉料 2,300,000円
  6. 後遺症慰謝料 4,200,000円
  7. 後遺症による逸失利益 7,562,617円

小計 18,484,179円

  • 過失相殺 小計×0.7=12,938,925円 (過失割合30%で相殺した)
  • 既払金控除 2,494,800円
  • 小計2 10,444,125円
  • 弁護士費用 1,000,000円 小計2の10%

合計 11,444,125円

下図の現実の算定表は、後日私の弁護士が後遺障害診断書を要求して作成したものです。その金額の大きさに驚きました。これが実際なのですね、素人には想像できない算定で納得です。弁護士費用も請求できるようです。(下図の赤文字は私への説明文です)

そして、この算定表を基に裁判では争うわけです。

この算定表は弁護士会(裁判所)基準という事で判例を基にしていますから、弁護士と裁判所の算定基準は両者一致しています。この事の詳細は、最後のまとめのところで解説しています。(もちろん金額は判定により異なってきます)

しかし、先ほどの初めての一回目の示談交渉の話ですが、こちらの言い分も聞かず、畳みかけるような話し方にさすがに私も少々腹に据えかね「そこまで言うなら裁判で争うしかないな、もういいから帰ってくれないか」と言ったら「裁判で争っても結果は変わらないよ」と言われ、ますます頭にきて「もういいから帰ってくれ」と追い返しました。

弁護士の損害額計算書
弁護士の損害額計算書

*上図は私の弁護士が後遺障害診断書を基に作成したものです。(通常の場合の計算、赤文字は私への説明文です)

*そして、下図は裁判で争った時の最低金額を見積もった計算書です。(赤数字の所が裁判の争点になるという事で、変数になります)

弁護士の低く見積もった損害額計算書
弁護士の低く見積もった損害額計算書

上図は弁護士が私へ参考にと作成したもので、赤数字の箇所が裁判で争った時に代わる可能性があり、その数字を最低で見積もった時の計算書という事です。過失割合も五分五分で見積もっています。それでも、保険会社の示談の時の最終支払い金額との差額が約300万円多くなります。

これらの試算書が出そろった段階では、十分に裁判をする価値はあった訳です。

大事なポイント!! 後遺症診断書とその等級

以上の計算書からもわかるように、後遺症診断書が訴訟の時の重要な書類になりますから、医師が症状固定を診断した日に、すぐに後遺症診断書を作成してもらいましょう。その理由は症状固定日から後遺症が緩和する可能性もあるからで、かなり時間が経過してからよりも直後のほうが有利だと思います。

そして、そこに記載された等級により慰謝料が大きく変わることになります。

弁護人依頼そして訴訟

すぐに、近くに住む私と同い年の知人の弁護士に電話で話の要件を伝え、弁護を依頼をしました。しかし、専門外だからという事と、転倒事故の訴訟を一度請け負った経験があるが、その時は目撃証言者がいなかったので、なかなか立証が難しかったという事で返事を渋りました。しかしその点は私が自信があるし、はっきり立証できるからと何とか説得し、引き受けてもらいました。

そして、早速訴状の作成にかかりました。それを私がチェック訂正して弁護士が清書の後、裁判所に提出することになります。

その頃に示談金300万円提示

さて、先ほどの保険会社の担当者との物別れの話ですが、その後日談がありまして、訴訟の件を弁護士に相談した頃に被告店側の担当者が、慌てたように駆け込んできて「保険会社から示談金300万円でどうだろうと言ってきましたが、ダメでしょうか」と言ってきました。

前回の示談交渉のいきさつからして、もう相手にする気にはなれず、「遅いよ、弁護士にもう訴訟を依頼してしまったよ」と言って断りました。

おそらく、私がかなり強気の態度だったので本当に訴訟裁判を起こされると面倒だと思ったのでしょう。先に手を打ってきたが遅かったわけです。

反論&答弁立証

裁判所に提出した訴状が受理されて、その原告側主張に対する反論、それに対する立証答弁書のやり取りを何回か繰り返します。

さすがに被告側弁護士はその道のプロ中のプロ、必ずこちら側が思いもよらないところから反論をしてきます。

一番冷や汗ものっだったのは、病院の担当医が作成した後遺症等級の確定診断書に不備があり、無効の指摘をされた時でした。

再度診断書提出の承諾を得て再審査になったのですが、怪我の症状固定時直後の時より後遺症が緩和している可能性もあり、同じ結果が出るか後遺症等級が下がるかもしれないという事でかなりしんどかったです。

しかし、結果同じという事でホットしました。

他にも弁護士が作成した書類のミスも指摘を受けましたが、これは弁護士が専門外だったために、書類作成の計算のために買った専門書そのものの記載が間違っていたのですからどうしようもないですが、それがわかり指摘してくるという事がさすがで、プロ中のプロです。かなり手強い感じです。

そんなこんなで何回かやり取りをしている中で、私もいろんな反論に対して立証しなければならず、県庁や市役所にまで調査に行きました。

参考までにそのうちの答弁書一通を参考として掲載しますので、内容を見ていただくとどのようなものかよくわかると思います。

被告側弁護士は思わぬところをついて反論してきますから、立証作業はかなり大変です。

以下、実際の答弁書です。すべて自分で調査の上、調べて立証しなければなりません。参考にしてください。かなりの時間と労力がいります。

実際の答弁書の一例(項目のみ記載)

私が作成したものですが、こういう答弁書を、反論があるたびに作成することになります。 詳細内容については読者には必要性がない、無意味なものと思われますので省略しますが、項目だけでも大変さはわかると思います。 

1.市役所での確認事項と条例違反および床材について

2.事故現場構造物、条例および政令設計基準不適合解明
(欠陥構造部の解析)

3、事故原因は条例違反の障害物(常設テント)と欠陥構造による複合要因(事故の解析と欠陥構造部の因果関係)

4、過去の判例とは異なる事例

5、企業姿勢を問う

6、事故に至る詳細証言と証言文の比較検討

7、事故現場と受傷部の整合性

8、目撃者および証言の存在

9、被告側弁護士は事故現場を無知

以上、答弁書の内容項目ですが、詳細内容も含めると小冊子ができるくらいです。ほんとに裁判はしんどいです。できるなら避けましょう。

あり得ない条件、和解提示

以上のような答弁書を、被告側弁護士から反論がくるたびに、私が立証答弁書を作成して提出しました。

にも関わらず、裁判官は一度もお互いの主張や反論、当事者や証人への尋問などおこないませんでした。

このような状況下で先の項「結論を先に」の所でも書いたように、正式な文面は手元になく忘れましたが、いきなり「この訴訟の判決は棄却するつもりだから、和解するように」という意味の内容通知を送ってきたのです。

これには私の弁護士はもちろん、裁判所の書記官もびっくり、しかし誰も異議を唱えることはできません。この理不尽さは尋常ではありません。

私は何とも言えぬ憤りを抑えつつも、諦めて従うしかないと言う、冤罪者の気持ちが少しわかるような気がしました。

もうこの時点で拒否して判決まで持ち込んでも敗訴ですから意味がありません。和解を受け入れて裁判所指定の期日に出席しました。

そして、開廷、裁判官に促されて相手側弁護士の和解案提示です。

こちらの予想では被告側も判決に持ち込めば敗訴確定は知っている訳ですから、当然ゼロ回答だと思っていました。しかし、提示してきた条件は「300万円の追加支払いで和解したい」と言う提案でした。

ちょっと私は驚きましたが、内心やったと思いました。私の弁護士はしばらく間を置き落ち着いて「異議なし」とだけ答えました。そして、和解案成立でわりとあっさり簡単に閉廷宣言です。あっけなく終わったという感じでした。

そして、弁護士が言うには「おそらく○○さんがあれだけの努力で揃えた立証答弁書を見て、控訴される事を警戒、意識したのだろう」と言ってくれました。そのお陰で少しだけ報われる気がしました。

しかし、弁護士の話によると、この先の高等裁判所の内情もよく知っているが、もし和解案に異議申し立てをし、控訴したとしてもここの裁判官と控訴する高等裁判所の裁判官は繋がっていて、覆すのは容易ではなく、控訴しても有利な判決は難しかっただろうとも言われました。

所詮、人間が裁く法のシステムなんてそんなものかという事で、現実社会には神はいないという事です。

まとめ

今回体験した事とその過程で学んだ知識をもとに、以下のようなアドバイスをまとめてみました。

私の場合は詳しくいきさつを書いたように、何の経験も知識もなかったのでいきなり訴訟という手段に出ましたが、今の私なら次のようにします。

まずその前に次のことを理解してください。

損害賠償請求の算定基準には、3つの基準がある

保険会社が提示する損害賠償額は必ずしも適切ではない自己都合の、明らかに低い金額を提示してきます。

そして、無知ゆえに被害者は「事故の専門家である保険会社からの賠償額の算定だからそんなものなんだろう、それにそれだけでも支払うと言って来てくれているのだから、なんて良心的なんだろう」と、何も疑うこともなく、信用して示談に応じてしまいます。

しかし、これはあくまでも保険会社が自らの基準や都合で算定しているだけで、裁判所の判例に基づく基準に比べると、大幅に低い算定額です。

事故の損害賠償請求の算定基準には次の3つの基準があります。適正な損害賠償額を受け取るためにも、この3つの基準の違いを理解しておいてください。

自賠責基準

自賠責保険は、誰もが車の車検を受ける時に入っている保険で、ご存じの方は多いと思います。自賠責保険は国が最低限の補償を決めている制度です、任意保険の基準や裁判所の基準と比較すると、最も賠償額が低い基準になります。

任意保険基準

任意保険は自賠責保険とは異なり、皆さんも車の保険で自賠責保険でカバーすることができない損害を補填することを目的に加入していると思いますが、その任意保険です。

任意保険の基準で損害賠償請求を計算すると、自賠責基準で算出した損害賠償請求より高額になりますが、弁護士(裁判所)基準で計算した賠償金額よりは低くなります。

また、保険会社などによって保険金額に相違があり一律な基準がないのが現状です。

弁護士会(裁判所)基準

裁判になった時に弁護士(裁判所)が用いている基準です。

この基準を使って損害賠償請求を算出すると、ほとんどの場合、自賠責基準、任意保険の基準よりも高額になります。
つまり、3つの基準を比較すると、次のようになるのですが。保険会社が提示する金額は、自賠責基準か、任意保険の基準に近いことが多いです。

3つの基準の比較

自賠責基準 < 任意保険基準 < 弁護士会(裁判所)基準

まとめのアドバイス

したがって、保険会社と示談交渉をする時は、個人で交渉すると保険会社の算定した一番低額から交渉がスタートすることになりますから、これを避けて必ず示談交渉は弁護士に入ってもらってスタートさせましょう。

弁護士はもちろん一番高額の弁護士(裁判所)基準を元に交渉しますので、保険会社の提示額よりも高くなることが多いです。

とは言え、弁護士(裁判所)基準はこれまでの判例などによって決まりますので、一般人にはなかなか分かりづらいところもあります。あくまでも基準ですから、どのように適用されるのかは、弁護士が判断するところだと思います。

とにかく、最初は弁護士を通じて示談交渉という方法を試み、その際には相手側にプレッシャーをかける意味でも、証拠写真や資料を完璧に揃えた上で示談交渉に臨みましょう。

現実、私の場合の、裁判官からの「敗訴宣告」通知という不利な立場での和解の時も、少なからず結果を得られたという事実が、そのいかに立証するかという有効性を表していると思います。

それで解決できない時には、訴訟による裁判もあり得ると言う筋立てで交渉したほうが、有利に話を進められると思います。それからいつでも弁護士と相談できるという事は、安心感もあり立証もしやすくなります。

訴訟による裁判はあくまで最後の手段と考えるべきです。なぜなら裁判では否応なしに決着します。自分が有利な時にはそれで良いのですが、不利な時には逃げが無いという事です。

以上です。あなたの今後の健闘を祈ります。

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