飲食店における基本帳簿【現金出納帳】の作成を手書きで即実践!!

簿記帳簿飲食店経営
簿記帳簿

飲食店を開業したので早く記帳を始めたいけれど、経理簿記の知識がなく、どう手を付けたらよいのかまったく分からないという初心者の方に、即席で「ここのポイントを押さえて、これとこれを実行しておいていただければ、大丈夫ですよ」という事を解説する内容になっています。

この記事は取りあえずは簿記の記帳業務を、即、始めたいという方のために、基本帳簿である現金出納帳さえしっかり記帳しておけば、大丈夫ですよという事を解説しています。

その後の簿記業務、記帳した現金出納帳から決算書の作成まで実践し、税務申告まで知りたいという方のために「飲食店の簿記について現金出納帳から決算までの流れを解説!!」の別記事で解説してあります。

取り合えずはこの記事を手掛かりにして、業務をスタートさせてみてはいかがでしょうか。手書きの良いところは、直ぐに始められるという事とパソコンの有無も関係なく、場所を選びません。もちろん、パソコンが使える方は手書きをパソコンに置き換えても結構です。

記帳は時間が経てば経つほど大変になっていきます。

私の実践経験による考え方

簿記の記帳の事を、詳細に説明しだしたら切りがなく、かなり奥が深いです。

ですからこの記事は読者が初心者ということを想定して、簿記の原点である基礎的な事を、しかも手書きで即実行する(パソコン使用も可能)という前提で記事を書いていきます。

しかし、このハイテクな情報処理の時代に、手書きと言うといかにも時代遅れな古典的なイメージを持たれるかもしれませんが、時を経て慣れてきてからそういうものに置き換えるという手順の方が、簿記を理解するには良かなとも思います。

実際に一つ一つの数字を考えながら手書きで処理をしていった方が、簿記の全体を見渡す感覚が身に付きやすいかなと思うのですが、今の若い世代の人たちはデジタルに慣れているから、私の感覚とは違うかもしれませんね。

ですからパソコンに慣れている方は、最初から手書きをパソコンに置き換えても結構です。

私の場合は、もうかれこれ40年近く個人事業主として飲食店を経営していますが、前半20年間位はまだパソコンも一般に普及してなく、すべて帳簿は手書きで処理していましたがWindows98が出だした頃からパソコンが一般に普及し始め、私もその頃から帳簿はパソコンで処理をするようになりました。

そして、パソコンにも慣れて表計算ソフトが使えるようになったので、自分でオリジナルの集計表など作り、今ではすべてデジタル化しています。

後半20年間はそんな状態で何の不自由も感じなかったのですが、最近こんな記事を書き始めたので調べてみると、会計ソフトなる便利なものが進化してきているらしく、これは時代の波に乗り遅れるという事で時間を作って試してみることにしました。

会計ソフトは複式簿記なので、自分で作った表計算ソフトよりも使いやすかったら乗り換えますが、いずれ青色申告控除額のアップを目指すのも良いかなという考えもあり、ぼちぼちでも試したいと思っています。

またそれはそのうち、記事で報告したいと思います。ま、おそらく「これは便利おすすめです」記事になるかとは思いますが、どうなんでしょう。

そのような経緯で、私の場合は時代の変化に合わせてデジタル化をしてきた訳ですが、今の時代の人達は自分の都合で方法を選べるのですから、自分がやりやすい方法で簿記をこなしていったら良いと思いますし、いきなり会計ソフトでも、使いこなせるならそれはそれで素晴らしいと思います。

しかし、この記事は飲食店の帳簿の手書き実践を解説をする事が目的ですから、会計ソフトを使って「ここの空欄とここの空欄に数字を入力さえすればOKですよ」なんて言う解説では何の意味も無い訳で、ここでは簿記を理解していただくため、またはその手順を解説するために、簿記の原点でもある古典的な手書き帳簿の実践で解説していきます。

それから、簿記に付きものの税務申告ですが、これは事業を継続させるためにも絶対避けられない業務ですから、簿記のゴールの決算終了後の税務申告業務も意識して、この記事は書くことになります。

早速そのことに触れておきますが、ここでは青色申告ができる簿記を目指すことになります。

帳簿の手書きは簿記の原点を学べる

帳簿の記帳では実際の物品の価格を、一つ一つ実際に書いていく訳ですから、金銭感覚も身に付き、それによって経費の無駄も見えてきます。

そして、飲食店の簡易帳簿の記帳というのは、簿記の知識が無くても誰でもすぐ始められるもので、それでも十分実戦的なものです。

なぜかというと、飲食業というビジネスがほとんどの場合、取引実態が現金主義で、発生主義ではないからです。現金主義取引の場合は簡易簿記の選択ができ、その主帳簿は現金出納帳になります。この現金出納帳は、子供のお小遣い帳とまったく原理は同じで、簿記の知識が無くても誰でも記帳管理ができる帳簿なのです。

ですから、「まずこの現金出納帳の記帳から始めてください」勘定科目はすぐに分からなかったら、空欄にして後ほど記入すればよいです。大事なのは日付、項目内容、金額です。というのが今回の一つのポイントになります。

これがしっかり記帳できれば、あとは何とかなります。それから記帳の具体的な解説は、国税庁ホームページに手引書の、PDFファイルがダウンロードできるようになっています。以下、そのリンク先です。

帳簿の記帳のしかた(事業所得者用)(PDF/2,305KB)

記帳の前の絶対条件

さていよいよ、ここから実践です。ここで解説することは、帳簿を書く前の業務であり、絶対必要条件だと思ってください。

飲食店を営業していくと毎日必ず、入金・出金があります。

入金の管理

まず入金に関してはほとんどが、店の売上金になりますが、売上金の管理は必ずレジスタでおこなってください。でないと税務署に売り上げ金額を信用してもらえません。

毎日必ず売り上げを清算し、レジスタのロール紙に印字して記録を残してください。そして、その印字した記録紙をノートに時系列にノリで貼って保管してください。

他に売り上げ以外の入金があった場合は入金伝票で良いですから書いて、やはり時系列に貼って記録を残してください。

当たり前のことですが、証票類を残す時には筆記具は鉛筆はダメです。必ずボールペンなどのインクを使ってください。

出金の管理

まず毎日の買い出し、それからこまごまとした支払い、それらのレシートや領収書を一枚も漏らさずに集めて管理してください。

感熱ロール紙を使ったレシートは文字が消えやすく、後日読み取れない事があるので保管には十分気をつけていただきたいと思います。

そして、本来はこれらの記録をもとに毎日営業が終わってから記帳をするのですが、現実は店が忙しいなどの理由で、まず出来ないことがほとんどです。

ですからそれは各個人の事情に合わせて作業をこなしていくしかないですが、その時に先ほど指摘した売り上げ記録や、レシート、領収書などの証票が無かったら記帳ができないことになります。

または外出して買い出しをした時など、うっかりレシートを紛失してしまうと、それに気づかずに記帳をし、残高が合わなくなっても原因がわからず、残高を合わせること自体も不可能になります。

私もこれについてはいろいろと失敗を重ねてきていますので、これについては声を大にして言いたいです。「売り上げ記録、レシート、領収書などの証票の管理はくれぐれも厳重にしたほうが良いです。」

収入は店舗内での事ですからその証票の管理は容易だと思いますが、外出しての買い出し、物品購入の領収書などは財布とは別にカバンの中に、入れ物を用意して必ず保管するように習慣づけ、そして帰宅したら決まったところに移して一か所で管理するように習慣化してください。

これは私の経験からのアドバイスです。長い期間の間に、ついうっかりという事が起きます。

証票の管理など、そういうことがおろそかになって帳簿ができない、ひいては決算ができない、あげくに税務申告ができないなんて事態になったら一大事です。

青色申告者の簡易帳簿

必要な帳簿はそれぞれの業務の内容によって違いますが、標準的な簡易帳簿は次の5種類です。

  1. 現金出納帳
  2. 売掛帳
  3. 買掛帳
  4. 経費帳
  5. 固定資産台帳

以下、帳簿について説明します。

今回このブログ記事【前編】で実践するのは、1.現金出納帳のみで、他の帳簿は【後編】での解説になりますので、この記事では省略します。

現金出納帳

先の項でも書いたように、何はともあれ真っ先に現金出納帳の記帳からです。すべての現金の入金・出金をもれなく記帳することです。

この帳簿の記帳さえ正しく正確に記帳できれば、他の事はこの帳簿を基に後からでも処理できます。

なぜこんな書き方をするかというと、毎日の業務としてすべての帳簿を完璧に管理するのは不可能なこともあり、後日まとめてというのが現実ではないかと思うからです。

毎日の記帳が絶対条件の現金出納帳の記帳でさえ、何らかの事情で記帳ができないことが、多々あります。私の場合はそれが現実で、いろいろ工面してやり繰りしてこなしています。

皆さんの場合は、少なくとも一週間に一度は休みを利用して、帳簿の記帳集計を実行するよう心掛けて頂きたいと思います。

その時に押さえるべきポイントは、現金出納帳の記帳だけはしっかりやっておきましょうという事です。勘定科目はすぐに分からなかったら、空欄にして後ほど記入すればよいです。大事なのは日付、項目内容、金額です。

それからの業務作業についてはブログ記事「飲食店の簿記について現金出納帳から決算までの流れを解説!!」で解説しています。

銀行口座について

事業を始めると必ず銀行口座が必要になってきます。これをどうするかですが、取りあえずは個人名義の預金口座を利用すれば良いと思います。

人によっては事業用の口座を作った方が良いと言う人もいますが、小規模飲食店の個人事業主の立場なら兼用で良いと思います。

理由はいくつかありますが、

  1. まず売り上げ金額がそれほど大きくない(つまり、事業用と個人用に振り分けるほど大きな金額では無い)と思います。
  2. それから取引が現金主義で単純であるという事
  3. そして、店舗と住居が同じ建物内にあり、水道光熱費などの口座引き落とし金額の按分(あんぶん)計算が必要な場合があるという事
  4. 口座が複数あると残高の管理の負担が増えるという事

以上ですが、私の場合は事業用専用口座として当座預金口座を開設しており、区別が必要な取引はこちらを利用しています。

しかしこの口座の開設には銀行の審査が必要なので、ある程度の信用力が無いと開設できません。しかし、この口座の特徴として小切手支払ができるのがとても便利で、事業をする場合はぜひ開設したいものです。

この口座を持つことによって、手元に大金を置かなくても事業の取引が小切手でできるという事で、私の場合、売上金はほとんど普通口座に入金してしまいますが、金銭管理が安全にできるという利点もあります。

特に数十万~数百万円の支払いの時など、お金をいちいち数える必要もないから間違えることもないし、払う方も受け取る方もお金の移動がないので安全です。しかも「銀行渡り」のゴム印を押しておけば第三者に渡ってもすぐには換金できないから、なお安全です。

ま と め

飲食店における帳簿を手書きで即実践開始するために必要な、その要点とポイントに絞ってまとめます。

  1. 経営する飲食店の営業活動にかかわる、現金の入金・出金に関する証票(売り上げ集計データ、レシート、領収書)等々は、もれなく全て一か所に集め、厳重に仕分け管理する事。
    (この事は飲食店の経営の根幹をなす、最重要な資料と心得るべきです。紛失などあってはならない事です)
  2. 即実践、毎日やらなければならない簿記の業務は、金銭出納帳の記帳です。勘定科目はすぐに分からなかったら、空欄にして(【後編】で説明しますが)後ほど記入すればよいです。大事なのは日付、項目内容、金額です。
    これだけ実行できれば、あとの業務は後日「ブログ記事の【後編】で解説」でも何とかなります。

今飲食店の経理帳簿でどうしたら良いか分からず、悩んでいらっしゃる方がおられたら、この二つの事柄を理解して、即日実行することをおすすめします。

それからの事は、「飲食店の簿記について現金出納帳から決算までの流れを解説!!」にて解説いたします。

以上です、ご健闘を祈ります。

タイトルとURLをコピーしました